戦争法制に抗議します!

いまこそ憲法と絆と愛を

 

 

〈青山学院教育方針〉

青山学院の教育は

キリスト教信仰にもとづく教育をめざし

神の前に真実に生き

真理を謙虚に追求し

愛と奉仕の精神をもって

すべての人と社会とに対する責任を

進んで果たす人間の形成を目的とする

 

〈日本国憲法〉

第九条 1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 

〈加藤周一『言葉と戦車』〉

[…] 画期的な事件は、すべて、直接または間接に、「戦車」または組織された暴力と「言葉」または人間的なるものとの対立に係わっている。

 

 

* 青山学院大学元教員有志の先生方による声明

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「平和安全法制」に反対する本会「声明文」について

                              2015.7.24     


 昨年1124日、本会は勉強会を重ねた結果、学問の自由と自立の立場から「特定秘密保護法」廃止を求める「声明文」を発表しました。

 その後、安倍内閣が憲法学者や多くの国民各層の批判と疑問を顧みず、違憲の「安全保障関連法案」を衆院で強行採決するに及び、本会(元教員有志45名からなる)は別紙「声明文」により同法の廃止を訴えるに至ったものです。

 今後、私たちは「安全保障関連法案」に反対する学者の会や他大学の活動、および国民各層の運動と連帯しつつ、同法廃案のために力を注ぐ所存です。

                     

 

「平和安全法制」に反対する声明

 

                           2015716日  

                           青山学院大学元教員有志の会  

 

 本日、安倍政権によって提出された安全保障政策の関連法案は、専門家や国民多数からの「違憲」であるとの批判にもかかわらず、審議不十分なままに、衆議院本会議で強行採決されました。

安倍首相は、4月の米国議会演説で法案を「夏までに成就させる」ことを約束しました。これは、法案の国会提出以前のことであり、日本の国会、ひいては日本国民の民意を無視したあるまじき外交行為です。しかも、新法の「国際平和支援法案」の他は、現行法の改正案10本をまとめた「平和安全法制整備法案」という一括法案であり、このような乱暴な提案方法は、個別法案の丁寧な審議を回避する反国民的な国会軽視と言わざるを得ません。

安保関連法案は、憲法9条の精神とは反対に、日本を戦争に導きかねない法案です。私たちは、以下の理由から、現在国会で審議されているこれら法案に反対し、その撤回を強く求めます。

 

1.安保関連法案は、昨年71日の集団的自衛権行使容認の閣議決定及び本年427新たな日米防衛協力のための指針(新ガイドライン)に基いて、その目的を実現するためにあります。「切れ目なく」日米両国の地球規模での軍事協力を目指した新ガイドラインは、従来の安全保障政策を大きく変えるものです。このような大転換を国会での議論もないままに米国と合意し、安保関連法案によって事後的に正当化しようとすることは、許されざる反民主主義的な暴挙と言わなければなりません。

 

2.集団的自衛権を認めた閣議決定は憲法違反であり、実質的な9条改正を意味しています。安保関連法案の成立は、行政府のこうした恣意的な解釈改憲を立法府が追認し、集団的自衛権の実際の行使に道を開くことになります。武力攻撃事態法改正案においては、「存立危機事態」が想定され、これに該当すると政府が判断すれば集団的自衛権の行使が可能となります。つまり、米国など日本と密接な関係にある他国への武力攻撃を日本への攻撃と受け止め、武力行使を可能とするものです。安倍政権は、これまでの政府が固持してきた専守防衛を大きく逸脱し、戦後自民党政権下でも維持されてきた「海外で戦争しない」という原則を覆して、他国の戦争に直接参加し、日本を「戦争できる国」・「戦争する国」に変えようとしています。

 

3.重要影響事態法案は、日本の平和や安全に関わる「重要影響事態」において、米軍などに対する「後方支援活動」を可能にするものです。法案にいう「後方支援」、つまり「物品及び役務の提供」などは実態として軍需補給の「兵站」そのものであり、「現に戦闘行為が行われている現場」以外への派遣の名のもとに、自衛隊は世界中で米軍などの活動に組み込まれることになります。自衛隊の海外派遣の恒久法である国際平和支援法案でも、「国際平和共同対処事態」が起きたとき、上記の「現場」でなければ、他国軍を支援できるとされています。自衛隊の活動、外国軍隊の武力行使と一体化し日本の周辺を越えて地球規模に広げられることになる、と言わざるを得ません。

 

4.国連平和維持活動(PKO)協力法改正案では、従来の活動に加えて、自衛隊が地域の治安を守るために駐留、巡回や検問などをできるようにし、現地政府の行政事務などへの指導、国防のための組織(軍隊)の再建のための援助なども考えられています。重大なのは、こうした活動の拡大に伴って、自衛隊が武器を使用できるケースが大幅に増えることです。これまでの任務に比べて、自衛官の「殺し、殺される」危険がはるかに高くなるのは明らかです。

 

5.安保関連法案では、「武力攻撃事態」「武力攻撃予測事態」「存立危機事態」「重要影響事態」「国際平和共同対処事態」などの言葉が錯綜し、それぞれについて安倍首相や担当大臣は明確な説明を行い得ていません。政府答弁において釈明と発言修正が繰り返される事態は、法案提出者としての無責任ぶりを示すとともに、安保関連法案が集団的自衛権の行使を否定してきた従来の政府見解と矛盾していることを図らずも物語っています。

 

安保関連法案は、たとえ「平和安全法制」と名付けられていようとも、まぎれもなく「戦争法案」であり、9条の平和主義とはまったく相いれないものです。私たちは、日本の過去の侵略戦争では学院の「出陣学徒」を含め、校友・教職員から多くの戦没者を出したという痛切な経験を持っています。平和と民主主義を願う私たちは、日本国憲法がその侵略戦争と軍国主義に対する反省から生まれたものであることをあらためて想起しなければなりません。私たちは、憲法違反の安保関連法案を決して認めません。私たちは、国会が一連の安保関連法案を直ちに廃案にすることを求めます。

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 戦後七十年を迎えるにあたり、わたしたちは人びとの痛みとかなしみを想い、憲法の精神と愛の実践を覚え、手をつなぎ合い、一人ひとりがそのかけがえのない責任を果たしてゆきたい。

 いわゆる戦争法制をはじめとした全般的な軍事主義化に抗議し、自由と平和を願い、来たるべき未来への希望を求める。

 わたしたちの学びを永遠に支える言葉 "LOVE and PEACE" を銘記し、ここに声明する。

 

 

2015.8.7 青山学院有志一同   

 

 

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